CreepyNutsのアルバム『かつて天才だった俺たちへ』の表題曲MVが公開されました。
Creepy Nuts / かつて天才だった俺たちへ【MV】
幼少期の万能感と、切り揃えられていく才能を見事に表現した歌詞に注目です!
歌詞全文
作曲:DJ松永
作詞︰R-指定苦手だとか怖いとか 気付かなければ
俺だってボールと友達になれた
頭が悪いとか 思わなけりゃ
きっとフェルマーの定理すら解けた
すれ違ったマサヤに笑われなけりゃ
ずっとコマ付きのチャリを漕いでた
力が弱いとか 鈍臭いとか
知らなきゃ俺が地球を守ってた hey
破り捨てたあの落書きや
似合わないと言われた髪型
うろ覚えの下手くそな歌が
世界を変えたかも eyかつて天才だった俺たちへ
神童だったあなたへ
似たような形に整えられて
見る影もない※(感想で韻解説)
未だかつて ないほど入り組んだway
悩めるだけ悩め 時が来たらかませ
風任せ どっちみち茨のway
俺らは大器晩成 ey 時が来たらかませIwanna be a 勝者 wanna be a 強者
まだ見ぬ高みへ駆け込み乗車
花火のような 運命(さだめ)だろうが
我が身果てるまでやりきれそうや ey
生まれてこの方 一体いくつ
分岐点を見過ごしてきたんだろうか
墓場に入るまで あと一体いくつ
可能性の芽を摘んでしまうんだろうか
稀代のうつけ者 天下人
今まだ醜いアヒルの子
ほらどう そうご指導ご鞭撻のほど
渡る世間の洗礼を浴びるとこ ey俺はキャンパス かなり薄汚れた
だけどワンチャンス まだ余白はあるさ
ちゃっかり目立ったり 劣ったり
この隔たりよ永遠(とわ)にかつて天才だった俺たちへ(we!)
神童だったあなたへ(you!)
何だってなれたanother way
まだ諦めちゃいない※繰り返し
お前は未だに広がり続ける銀河
孫の代までずっとフレッシュマン
粗探しが得意なお国柄
シカトでかまそうぜ金輪際
俺も未だに広がり続ける銀河
今際の際までずっとフレッシュマン
くたばり損ねた 冥土からCome back
草葉の陰からゴンフィンガー無傷のまんまじゃいられない
変わり続けていく多面体
その物差しじゃ測れない
測らせる気もないかつて天才だった俺たちへ(we!)
神童だったあなたへ(you!)
まだ見ぬ明日へ羽ばたけ
いくぞ 1 2 3 4 5未だかつて ないほど入り組んだway
悩めるだけ悩め 時が来たらかませ
風任せ どっちみち茨のway
俺らは大器晩成 ey 時が来たらかませ
感想
歌詞の感想
子どもの頃の万能感を見事に表現した歌詞
まずは冒頭から素晴らしいですね。
子どもの頃ってみんな万能感を持ってると思うのです。
ハリーポッターなんかが好きな子は、魔法もいつか使えると思っているし、
周りと比べたりしなかったあの頃は、自分は特別で、何にだってなれると思っていました。
冒頭で、色んなことを言われ、自分だけの世界だったのが、世界の中にいる自分に変化して、可能性の芽が摘まれて、大人になって行く様子が目に浮かぶように表現されていますね。
曰く、自分には無理だなんて思うことがなければ世界だって変えられたかもしれない、と。
無限に広がっていた可能性が、現実にもまれて段々と狭まっていく感覚は、誰しもが味わったことがあるのではないでしょうか。それを秀逸に表している入りの部分。凄く好きです。
リズム感と韻律が心地よいサビパート
そして、かつては無限の可能性を持ち、 天才だった彼ら、秀才だった私たちリスナーに向けたサビパートに入ります。
すべての歌詞について細かく語りたいところですが、この曲に限らず、Rさんの緻密な歌詞を全て解説する根性と脳みそを私は持ち合わせておりません。
ですので、サビパートのみ、稚拙ながらご紹介させてください。
※未だかつて(aueee) ないほど入り組ん だway(aueeei)
悩める だけ悩め(aeaaeee) 時が 来たらかませ(iaaaaeee)
風任せ(aeaeee) どっちみち茨のway(eeei)
俺らは大器晩成(aueeei) ey(ei) 時が来たら かませ(aae)ey(ei)
Iwanna be(aai) a 勝者(oua) wanna be a 強者
まだ見ぬ高みへ駆け込み乗車
花火のような 運命(aae)だろうが
我が身果てるまでやりきれそうや ey
うーん色付け難しいですね。まあ、漏れもあるかもですが、なんとなく伝わればと思います。
まず最初の「かつて」のteの子音をのばしてeeeという音にしています。前半部分はこのeeeの音で韻を踏むことで心地よいメロディーラインを作り上げています。
そして後半部分は、細かくaaiと、ouaの音で踏むことで、小気味いいリズム感を作っていますね。流石でございます。
Rさんは楽曲でもバトルでも、リズムを取るために、よくエイエイという掛け声(?)を発されますが、今回のサビはそのeiの音が凄く効果的にはいる韻が多いので、個人的にテンションが上がります。
時が来たらかませっていう歌詞も、虎視眈々と才能の花を開く機会を伺っている感が出ていて良いですね。
ラップならではの表現ー邂逅と決意
歌詞で一番伝えたいポイントはこちらです。サビパートも耳に残って、素晴らしいのですが、やはりラップという手法で歌われているこの曲ならではの良さというのが、サビ以外のパートに表れていると思いました。先述したように、冒頭では子どもの頃の万能感と、大人になるにつれて、小さく纏まって行く様子を、Rさんの経験が目に浮かぶように表現されています。自らの過去を邂逅し、自分は、人は、死ぬまでに一体いくつの可能性を見過ごしていくのだろうと振り返ります。この強い当事者性はラップならではの良さですよね。読み物として面白いです。
さらに、まだまだ半人前、フレッシュマンである自分には、まだまだ余白がある、伸びしろがある。聴いているお前にだってまだまだ可能性はあるぞ、と鼓舞してくれています。
そして、そんなフレッシュな気持ちを忘れづに、これからも型にはまる事なく挑戦し続けるぞという決意を表しています。
特に好きなのはこの歌詞です↓↓
無傷のまんまじゃいられない
変わり続けていく多面体
その物差しじゃ測れない
測らせる気もない
世間の物差しに可能性の幅を測られるつもりはない、リスクを負ったとしても自分たちは進んでいく、という決意がよく表れています。
別の記事で紹介したように、日本においてHIPHOPとはそもそもマイナーで、世間から受け入れられないものとの親和性が高い文化です。さらにCreepyNutさんは、HIPHOPアーティストとしても少し変わった立ち位置にいます。
そんな彼らだからこそ、一般論にも、HIPHOPという固定概念にも左右されず、自分たちのラップと、DJで音楽表現をしていくぞ!という心意気が垣間見えました。
就職活動中の私には眩しいお2人です。
トラック・曲の感想
入りの驚き
入りの重厚感のある感じの音に、まずドキッとしました。
私は気が付かなかったのですが、見分のある方々はTwitterで、サンプリングだと仰っていましたね。いやー奥が深いです。サウンドに関しては輪をかけて初心者です。
でも入りのホラー感すらあるかなって感じの音で、何だか映画の始まりのような印象を受けました。冒頭の歌詞にストーリーテリング感があるので、凄くマッチしているなと個人的に思いました。
小気味よいベース
今回のサウンドは、CreepyNutさんの楽曲の中でもかなり好きです。
ちょっとジャズのような感じの小気味よいベースの上にラップが乗っていつもより爽やかな印象を受けました。フック以外のパートのラップが素直に頭に入って来て、歌詞を自分の中に落とし込む助けになりました。
リピートするほど味の出る松永さんの合いの手
これ、実は一番のツボですね。サビ前の掛け声がすごく好きです。気付いた時に思わず笑ってしましました。
かつて天才だった俺たちへ(we!)
神童だったあなたへ(you!)
初見では歌詞を聞き取るのに必死で、Rさんの声に集中しているのですが、CreepyNutさんの楽曲には、リピート再生するほど癖になる松永さんの声を発見するという楽しみ方もあります。ラジオを聴いていても思うのですが、松永さんって、いい意味で煽りスキルが高いな~と(笑)
掛け声だけでなく、注意して聴いていると、単調なサウンドではないと分かります。意外な音が入っていたりするので、それを発見して、「これ何の音よ⁉」なんて考えるのも楽しいですよね。
収録されているアルバムは8月26日(水)発売!!
買って下さい!!
再三発信しておりますが、CreepyNutにはもっともっともっと売れて欲しい。
世間の称賛を集めて欲しい!!
と、いうことで、アルバムを買って下さい。絶対いいんで。
ラジオ版がオススメです。あと、itunesの回転数も上げたいので聴いてください。YOUTUBEも見て下さい。お願いしまああああす<m(__)m>
最後に
読んで下さった方、本当にありがとうございました。
楽しんでいただけたのであれば、読者登録、スター押していただけたら嬉しいです。
あと、Twitterを始めたので良かったら見てみて下さい。
この世代でまさかの今までTwitterをやって来なかったという、アナログ人間で、使い方よく知りませんが、気が向いたらつぶやこうと思います。よろしくお願いいたします(>_<)